周囲に頼る、頼られる。
その積み重ねが、良いものづくりにつながる。
設計開発 K.M.
2018年新卒入社 自動車事業部
機械工学科卒
Career Step
- 2018年～
- 車載機器向けコネクタの製品開発を担当
Q1 入社動機は？
横浜で育ち、横浜の大学に進んだ私は、遊ぶにも、学ぶにも、ずっと横浜を選んできました。そのため、就職活動で重視したのも、「地元の横浜で働けること」でした。そんな条件で就職活動をする中で出会ったのが、ヒロセ電機です。企業研究を進めていくうちに感じたのは、製品開発に注力している姿勢。高利益率かつ新製品比率の高さは、製品開発に十分な投資ができることを示していると考えたのです。大学で機械工学を学び、できれば設計開発の仕事がしたいと考えていた私は、技術者として恵まれた環境だと感じ、迷わず入社を志望しました。入社後は希望通り設計部署に配属されましたが、配属先は品質要求の厳しい自動車事業部。配属当初は不安もありましたが、今では進化の著しい自動車業界にコネクタを提供することに喜びと誇りを抱いています。
Q2 現在の仕事は？
自動車向け映像伝送用コネクタの設計開発を行っています。最近の車には運転を支援するためのカメラやディスプレイなど、多くの映像機器が搭載されており、そんな映像機器のためのコネクタの開発が私の仕事です。
具体的には、顧客からの要望を受け「技術的に可能か」「予測利益は開発投資に見合うか」などの検討からコネクタ開発はスタート。設計者は工程や設備設計、金型開発を行う生産技術、製造を担う工場などのさまざまな部署と連携しながら、最初から最後まで製品に関わります。まずは既存製品を参考にしながら、CADで新コネクタの3Dモデルを作成。作成した3Dモデルで解析も行い、有力なモデルについて各部門担当者と検討を重ねます。
製品開発の醍醐味は、そこで浮上した課題を解決していくことです。たとえば設計上可能であっても製造面で課題があれば、どうすれば解決できるかメンバー全員で考えます。設計開発の仕事は3Dモデルの完成までだと思われがちですが、試作品の評価はもちろん金型や生産ライン、組立工程で課題が発生するおそれがあれば、その解決にも取り組みます。企画段階から設計、製造まで、最初から最後まで関われることが当社の設計開発職の魅力だと思っています。
Q3 最も印象的な仕事は？
思い出深いのは、初めて製品開発を担当したときのことです。既に自動車メーカーに採用いただいている製品のバリエーション展開という案件でしたが、基となる製品があるがゆえにコストや製造面での制約も多く、自動車業界の厳しい品質基準やお客様の要求事項を満たすことに苦戦しました。
特に難しかったのが、既存品への誤挿入を防ぐ設計。基板の上には似たようなコネクタが密集しているため、自動車の組立現場で異なるコネクタが挿入されないよう、形状を工夫する必要があります。既存の金型や製造設備を使用するため変更部分の制約がある中で、要求を満足できる設計を見つけ出すまでに約150パターンの形状を検討しました。大変でしたが、技術者として自信を持って「これだったら大丈夫！」と言えるように設計の根拠を持つことの大切さを知りました。今振り返ってみると、いくつもの効率的なやり方が浮かぶものですが、当時は大きな山を乗り越えたような達成感がありました。こだわって図面を描いた製品が実際に完成したのを見たときは、自分でもびっくりするほど感動したことを覚えています。
Q4 今後、目指すキャリアは？
技術者としての私のモットーは「お人よしであり続ける」です。何か頼まれたら快く引き受け、いつだって自分にできることがあれば率先して手助けする。そうすることで、周囲から頼ってもらえる技術者でありたいと思っています。とはいえ、「お人よし」とは決して一方的に利用されるという意味ではありません。もちろん、課題に直面したときには遠慮なく周囲に頼ります。そんなふうにさまざまな部門が連携し、協力することこそが、課題解決には不可欠であり、その先の良いものづくりにつながっているのだと考えています。
だからこそ、現在の目標は、「○○のことはこの人に聞けば大丈夫」と言われるような、何かひとつの分野で飛びぬけた知識を持つ存在になることです。そうなるためには普段の業務から気になったことはそのままにせず、調べたり聞いたりして自分で理解することが不可欠。現在取り組んでいるノイズ対策など、仕事を通して知識を深めることはもちろんのこと、「手を抜かない」といった当たり前のことを、当たり前にやりぬく姿勢を貫くことも大切だと思います。まずは一歩ずつ、できることから。その歩みの積み重ねの先にこそ、目指す技術者像があると思います。
